つれつれ日誌

宇宙やITベンチャー、経済情勢、国内外社会、歴史、1歳半の息子育児、自身の不眠症、等々について徒然書いていきます。

【睡眠障害】大麻とベルソムラ【マリファナ/ヘンプ】

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Insominaという映画

「Insomina」という映画ご存知ですか?「Insomina」は言うまでもなく「不眠症」のことですが、この映画は僕が好きなアル・パチーノと故ロビン・ウィリアムズが共演しており、監督も最近では「インターステラー」や「ダークナイト」、「インセプション」(どれも大好きですw)で有名な「クリストファー・ノーラン」です。

語りだすと逸れまくるのであらすじだけ引用しておきます。今回このInsominaを引き合いに出したのは特別な理由がある訳ではなく、単に挿絵を探しているときにこの映画を思い出しただけですw ダークですが展開に深みのある映画です。是非見てみてください!

アラスカ・ナイトミュート。いまの時期は24時間太陽が沈まないこの町で17歳の少女の変死体が発見された。翌日、ロス警察のウィル・ドーマーが相棒のハップとともに応援にやって来る。ウィルは今までの豊富な経験を駆使し、犯人をおびき出す方法を思いつく。思惑通り海辺の小屋に犯人が姿を現わす。しかし、深い霧に犯人を見失ったウィルは誤って相棒を射殺してしまう。自分が射殺した事実を地元警察に告白しそびれたウィルは白夜も手伝って不眠症に陥る。不眠が続いて3日目の早朝、ウィルのもとに少女殺しの犯人から電話がかかってくる…。

                                                             allcinema ONLINE (外部リンク)

引用:Yahoo映画 https://movies.yahoo.co.jp/movie/239336/story/

大麻草成分「CBD」

ところで、昨日Yahooニュースを見ていると以下の記事を見かけました。

ポイントは以下3点。

  • CBDとは別名カンナビジオール(産業用ヘンプマリファナ両方に含まれる成分)といい、大麻草成分の1つの天然物資で自然療法としても利用されている。マリファナのようにハイになるなどの精神活性作用はない。リラクゼーション作用を応用した美容品やアロマ、睡眠障害対策として人気を博している。
  • 昨年12月20日トランプ大統領「2018年農業法案」を施行し、THC*1成分0.3%以下の産業用ヘンプが規制植物指定から除外され、ほかの農作物と同じ扱い(!)になったため、今年1月からCBDが商品化され、全米でブーム。
  • しかし昨年12月、アメリカ食品医薬品局FDA)が、CBDの飲食物への添加は法律で認められているわけではないと発表。NY市保健局でも、CBDが含まれる飲食物の提供や販売を今年7月1日から禁ずると発表。(※顧客が自分でCBDを買って、飲食物に入れて摂取することは取り締まりの対象ではない。)

 

ちょうど、以下のように国母選手が大麻取締法違反で捕まったニュースが出ており、タイムリーです。 この大麻個人使用の是非について論じたいわけではなく、大麻睡眠障害に効果があるか」ということに関心があり、ちょっと調べてみた記録を書きます。

大麻の成分

上述の記事でも紹介されているように、大麻は以下の2種類に分けられており、どちらもリラクゼーション効果のある成分を保有しています。

  • 産業用ヘンプ(麻):CBD成分の含有率が20%以上で、THC成分が0.3%以
  • マリファナ:CBD成分の含有率が10%以上で、THC成分が20%以上

マリファナTHC(ハイになる成分)がたくさん含まれているんですね。もちろんマリファナを用いて短期的に「ハイ」になり、不安を解消するのは根本的な解決ではないし、そもそも日本では違法ですw

大麻の作用の中でも、抗不安効果について知りたいなと思います。僕の不眠症は「今日寝れなかったらどうしよう」というどうしようもない不安に起因しています。この不安を取り除く方法としてベンゾジアゼピン系の睡眠導入剤でω2に作用することがありますが、やはりいつかは薬を卒業したいし他の方法で自然に不安を取り除く方法があれば試したい。

もちろんだからって大麻を試すわけではないですがw、最近の逮捕やCBD流行のニュースを見て、留学や海外出張をした際にマリファナがとても身近にあり、皆口を揃えて「リラックス出来る」と言っていたことを思い出し、その効果の有無をちょっと調べてみたいなと思いました。

医療大麻とその効用

このTHCやその他に含有される有効成分を用いた「医療大麻」というものがあります。以下のNatureにも記事掲載されているように、医療大麻には、抗不安作用だけでなく鎮痛作用、沈静作用、催眠作用、食欲増進作用、抗癌作用等、多岐にわたる作用がある模様。

www.nature.com

www.ncbi.nlm.nih.gov

また、Frank D'Ambrosio (2018年)の「Can Cannabis Be Used to Replace Addictive Pharmaceuticals?」という論文では、4276人医療大麻使用者から取った統計で、約7割が不安、不眠、痛みに用いており、74%は他の薬から大麻に置き換えたり、薬の量を減らすことができたという結果が紹介されています。これが本当であれば凄い効果です。また、医療大麻の使用目的の大多数が不安や不眠にあるということも興味深いですね(末期がん等の痛み止めとかが主な使用目的と思ってました。)

Wikipediaでは医療大麻が注目される理由として以下のようにまとめられていました。

 

  • 身体的害(副作用)が少なく、第一選択薬として望ましい。
  • 製造、栽培が容易かつ安価。
  • 法的規制の問題を除けば、本質的には製造・入手が容易かつ安価。
  • 多くの品種が存在しており、成分(THC、CBDなど)のバランスが多様。
  • 嗜好植物としての大麻には多くの品種が存在しており、薬効成分(THC、CBDなど)のバランスが多様なため、患者の個人差・病状の差に適合した品種を見つけることができる(一種のテーラーメイド医療と言える)。
  • 化学薬品ではない。
  • 既存の治療薬の効果が薄かったり、副作用が強い患者に対して別の選択肢となりうる。(代替医療
  • まだ有効な治療薬のない疾患、難病に対して効果が認められることがある。

 

医療大麻の副作用

上記のポイントにもあるように、大麻には殆ど副作用が認められないようです。 ただ、有名ですが摂取後は目が充血したりのどが渇くことがあるとのこと。

日本ではマリファナ覚醒剤のように依存性が強く、猛毒な麻薬というイメージがありますが、実際にはその依存性はかなり低く、カフェインと同等です。適正に使っていれば大麻の摂取自体が直接の原因となって死亡することはありません。

アメリカでの評価(悪効果もあるよ)

ここまで、「大麻やっぱり効果的じゃん」と思っていましたが、やはり反対意見等も沢山あります。日本では医療大麻の事例自体が少ないのでアメリカの文献や記事を読んでいましたが、以下の記事では大麻睡眠障害を治癒する訳ではないと論じています。

The use of medical marijuana does not improve sleep quality or reduce the severity of insomnia. Marijuana dose-dependently produces poor sleep quality. The reason that marijuana does not improve sleep quality is related to the fact that the endogenous cannabinoid neurotransmitter system in our brain is not directly involved in the onset or maintenance of normal sleep cycles. Therefore, marijuana cannot, and does not, produce normal sleep patterns.

Gary L. Wenk Ph.D.

人間に備わっているカンナビノイド*2神経伝達物質システムは直接的に睡眠サイクルに関与しているわけではないため、カンナビノイドに作用することで機能する医療大麻は、本質的に睡眠の質を向上させたり不眠症の程度を緩和することはできないとのこと。このGary先生は「寧ろ睡眠の質を落とす」と言われています。。

また、慢性的な睡眠障害を抱えている女性が初めてマリファナを試してみたときの体験が「Bisiness Insider」に掲載されていました。アメリカでは医療大麻を服用?する際には医師から認証カードのようなものを発行してもらう必要があるようですが、割と簡単なようで、$60/年ですぐゲットできるみたい。

In the middle of the night, I woke up because the bed was tilting. I felt dizzy lying down. I had extreme cotton mouth — there was not a drop of moisture between my lips. I was queasy. I felt just as bad when I got up as I did when I was lying down. There was nothing I could do to make the bad trip stop.

www.businessinsider.com

この女性は初めて医療大麻を摂取して寝た日、めまいと激烈なのどの渇きに襲われ、起きてても横になってても気分が優れなかったとのこと。結局医療大麻はすぐ止めて別の方法で睡眠障害の対策をしているようです。

他にもネットや論文を見ているとやはり賛否両論ありますね。個人差はあるんでしょうが、やはり万人に効くかどうかはまだ不透明。摂取方法としても煙草のように煙を吸わないといけないのでそこも1つのハードルになりそう。

もちろん医療大麻を個人的に日本で試すことはできないけど、もし合法的に流布することになれば一度試してみたいなと思いました。

ベルソムラについて

個人的には睡眠導入剤から早く卒業したいなと思っています。ベンゾジアゼピン系にしろ非ベンゾジアゼピン系にしろ、やはり依存性はあるので。

そういった相談をメンタルクリニックの先生にして、4年前くらいから「ベルソムラ」という新タイプの薬も飲んでみてます。

前回の記事で書きましたが、不安を取り除いてくれるベンゾジアゼピン系でも鎮静作用に特化した非ベンゾジアゼピン系でもない新型です。

このベルソムラはオレキシン受容体に作用する不眠症の治療薬です。スボレキサントという有効成分が入っているのですが、脳の視床下部から出る覚醒状態を維持する「オレキシン」という物質の働きを弱める(=オレキシン受容体への結合を邪魔する)ことが出来る薬です。

 

僕は先生とも相談して、既に何度も処方してもらっている薬で、使い方も分かっているので個人輸入でたまに入手してます。もちろん先生にも話はして、摂取量などは守った上での運用になりますが、通院+処方箋の時間コストを省けるのは正直助かります…。

この薬個人的には効いてくるまで1時間くらい掛かることもありタイミングを測るのがポイントです。

また、この薬は自然な眠気を強くするタイプ(=本来の睡眠力を高める、即効性もそこまで高くないので依存性が限りなく低い。)であるので、強引さがありません。そのため入眠作用に少し疎いので自分は体調に合わせて他の睡眠導入剤と使い分けをしています。

僕はまずはベンゾジアゼピン系から脱却しこのベルソムラで依存症を少しずつ解消していけたらと思ってます。(それでも入眠障害デパスとか飲んでしまうことありますが…苦笑)

 

今回はニュースから大麻睡眠導入剤のことを書いてみました。気になるニュースを取り上げ、自分なりの見解示して皆さんと意見交換出来るこのプラットフォームがあるのいいですね。

 

またそういう記事の書き方してみたいと思います。よろしくお願いします!

 

 

*1:別名テトラヒドロカンナビノール(産業用ヘンプマリファナ両方に含まれる成分)。マリファナ吸引で気持ちがハイになるのは、この成分の高濃度の影響。

*2:カンナビノイド(英語: Cannabinoid)は、アサ(大麻草)に含まれる化学物質の総称である。窒素を含まず、酸素と水素、炭素からなるので、アルカロイドには分類されない。
60種類を超える成分が大麻草特有のものとして分離されており、テトラヒドロカンナビノール (THC)、カンナビノール(英語版) (CBN)、カンナビクロメン(英語版) (CBC)、カンナビジオール (CBD)、カンナビエルソイン(ドイツ語版) (CBE)、カンナビゲロール(英語版) (CBG)、カンナビディバリン(英語版) (CBDV) などがある。1990年代には、体内で自然に生産されるエンドカンナビノイド(内因性カンナビノイド)が発見され研究が進展してきた。
特にTHC、CBN、CBDはカンナビノイドの三大主成分として知られる。なお、陶酔作用がある成分はこの中でもTHCのみとされるが、他のカンナビノイドとの含有比率によって効用には違いが生じる

【睡眠導入剤】デパスとの出会いと睡眠導入剤の種類・原理・期間・依存性&不安な時の使用について

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始めて使った睡眠導入剤

私が初めて使用した睡眠導入剤デパスでした。始めて行った睡眠外来で処方されたと記憶していますが、その際は0.5mgの白い錠剤だったような気がします。

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デパスはエチラームとも呼ばれ、有名なのでこの記事を読まれている人の中にはご存知の人も多いかと思います。今回は向学のためにも、この薬について、少し学術的に理解していきたいと思います。そのために、いつもは読み飛ばしている「デパス錠0.25mg/デパス錠0.5mg/デパス錠1mg」の取扱説明書も熟読してみました。(笑) 

まずは化学式。以下のような構成になるようですがこれは読み飛ばして下さい。(笑)

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デパスの効果

構造式なんかより、「実際にどれくらい効くのか?」の方が気になるかと思います。私も処方されたはいいものの、その当時はとにかく寝たいという気持ちで一心不乱でしたので、効果の有無がとても気になっていました。

以下は、二重盲検試験*1を含む1,608例について実施された臨床試験の結果を示しているものですが、睡眠障害においては95例中56例の方が「有効である」と回答しており、有効率はおよそ60%となっています。但し、これは「統合失調症における」の枕詞が付いており、睡眠障害のみを抱えている患者が対象にされているという訳ではないようです。

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あくまで私のケースですが、私は純粋な睡眠障害(精神生理性不眠症)ですので、実際デパスを飲むことで「寝れなかったらどうしよう?」という不安はなくなり気づかないうちに眠りに落ちることが出来ていました。

肌感では私のような不眠症のみが問題の場合、デパスの有効率は80%を超えていくのではないかと思います。仮に効かないと思った場合でも、それは有効成分の包含量が足りていない場合もあり得、例えば1㎎で効果が薄いと感じた場合には、1日の摂取限度は3㎎まであるので、主治医と相談しながら2〜3㎎までの範囲で、自分に合う量を調整してくのが良いかと思います。また、ピルカッターで錠剤を半分にし、0.5㎎錠を作ることも出来ます。

デパスの効果が出てくるまで

摂取してからどれくらいで効果が出てくるか、というのもまた気になる観点の1つかと思います。以下はデパス2㎎を食後30分後に摂取した場合の成分の血中濃度(厳密には「血漿中濃度」と言います。)*2を表しているグラフですが、約3時間後に血中濃度は最大になり、6時間経過するとその濃度は半減することが示されています。

私個人の体感では効果が感じられてから2時間もしないうちにほぼ0%になってる感覚だったので、半減期が6か月と知って意外でした・・。

 

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効果があることが実感できたので、それ以降私はデパスを愛用(?)するようになったのですが、私は様々な技術等の原理やメカニズムも知りたくなるタイプなので、「なぜ不安がなくなるのか?」について関心が高まっていきました。これについて書く前にまず、睡眠導入剤ベンゾジアゼピン(以下、「ベンゾ」。)とベンゾジアゼピン(以下、「非ベンゾ」。)に整理しておく必要があります。

睡眠導入剤の種類

専門家の方には「乱暴だ」とご指摘頂くかもしれませんが、睡眠導入剤について、以下のように整理してみました。ベンゾと非ベンゾ以外にも、以下の分類がありますが、ここでは省略化のため書いていません。

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私はベルソムラも服用しているのでその効用についてもいつか書いてみたいと思います!簡単な感想は「飲んでめちゃくちゃ効きまくることもあるが効かないことも多く、そのタイミングも即効のときと1時間程度かかることもある」となんとも扱いづらい薬という印象です(笑) たまに、効きすぎているのかと思うくらい心臓が静まることがあります。こんな症状が出てくる背景についても勉強したいところです。万物に通じますが、知れば知るほど知らないことが増え、勉強すべきことしかないことがわかります。(笑)

この睡眠導入剤の種類については、以下の病院の記事にとても丁寧に記載されており、非常に学ばせていただきました。こういった病院の先生に是非掛かりたいなと思いますね。

睡眠導入剤が効く原理

睡眠導入剤には大きく、ベンゾジアゼピン系のものと非ベンゾジアゼピン系の薬に分かれていることは前述した通りです。いずれもその作用原理は似ており、GABAの働きを強化し、神経細胞の活動を抑えてくれるんですね。このGABAですが、チョコ等で売られていることから聞かれたこともあるかと思いますが、正式な名称は「Y (Gamma) - aminobutyric acid」でして、朱書きの頭文字をとってGABAと一般的に呼ばれています。今回は出来るだけ学術的に理解することがテーマにあるので、専門的なHP等を漁りましたが、以下で委細な記述を見つけました。

 GABAとは、主に脳幹よりも吻側の中枢神経系の抑制性シナプス伝達を担うアミノ酸である。イオンチャネル型のGABAA受容体、GABAC受容体、ならびにGタンパク質共役型受容体であるGABAB受容体に作用することで、神経細胞の活動性を低下させる

やはりこれでは難しすぎてなんのこっちゃ分かりませんが、ポイントは赤字の「神経細胞の活動性を低下させるという点です。 

中枢神経系という神経系の中には興奮性の神経細胞の他に、その反対の神経細胞(つまり、興奮を抑制する抑制性神経細胞)が多く存在していて、大脳皮質においては神経細胞のうち20%程度が抑制性神経細胞で構成されていると言います。この大脳皮質に存在する抑制性神経細胞が重要な役割を果たしており、興奮性神経細胞からの信号出力具合を調整し、過剰な興奮を防いでいます

ベンゾ系と非ベンゾ系の違い

ベンゾも非ベンゾも、GABAに働きかけ、大脳辺縁系を中心とする情動中枢を選択的に抑制(覚醒中枢へ送られるインパルスを遮断)することで脳を落ち着かせ、睡眠にいざなっています。

GABAへの働き方に関して、ベンゾも非ベンゾのいずれもGABA受容体*3の「ベンゾジアゼピン結合部位」と呼ばれる箇所に作用しますが、当該部位はω1(中枢性)とω2(抹消性)*4というサブタイプに分かれており、それぞれのサブタイプは以下のような作用に関与すると考えられています。ベンゾはω1にもω2にも作用しますが非ベンゾはω1にしか作用しません。そのため、鎮静作用がほとんどで、抗不安作用、抗けいれん作用、筋弛緩作用は弱くなっているんですね。筋弛緩作用は「ふらつき」として副作用的に機能してしまうことがあるため、非ベンゾはベンゾの進化系で、より副作用の少ない薬と理解できます。(或いは、「より鎮静に特化した薬」とも解釈できます。) 

  • ω1:鎮静、催眠作用
  • ω2:筋弛緩作用・抗不安作用(認知、記憶、運動機能)

各導入剤の用量・ピーク時間・半減期

これも上述の病院HPでまとめらていた表を使わせて頂いているのですが、見やすく勉強になります。

私はこの中ではマイスリーデパス、ルネスタアモバンを使っていますが、確かにマイスリーが一番早く効く印象です。デパスは最近1㎎では全然効かなくなってきている気がします。そうプラシーボ的に思い込んでいるのか実際に耐性が付いてしまっているのかは分かりませんが・・。3㎎近く飲まないと安心できないことがある。。

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私は中・長時間型の導入剤を使用したことはないのですが、主な処方用途としては中途覚醒や熟睡障害への対処となります。高齢者の方で、睡眠につくことは出来るものの、途中で何度も目覚めてしまい、熟睡感を得られない、といった場合ですね。或るいは、起きたいと思う時間より早めに目覚めてしまう場合に、その時間まで効果が持続するような薬を飲むことで対策を図ります。

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私のような入眠が主な悩みの主因である場合には、超短時間型の導入剤を飲むことになりますが、その場合にはより依存症に注意する必要があります。依存症はそれ一つで大きなテーマになり得るので、別記事に起こしたいと思っています。

超短時間型と長時間型の効き方と依存性

下のグラフではX軸が経過時間でY軸が血中濃度を示してあります。赤字が超短時間型の薬を摂取した場合で、黒線が長時間型の薬を摂取した場合です。

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【引用】

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9D%9E%E3%83%99%E3%83%B3%E3%82%BE%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%82%BC%E3%83%94%E3%83%B3%E7%B3%BB

見てお分かりの通り、超短時間型の薬は一度摂取すると一気に血中濃度が上昇し、効果を発揮します。一方でその半減期も早い(=効果が薄れていくスピードが早い)ので、「もう効果がなくなった」と処方量を超えて摂取してしまう危険性があります。

また、急激に効果が表れては消えるので、「飲んだらすぐ寝れる」という思い込みでその薬にかなり頼ってしまうことがあります。私はデパスマイスリーがすぐ効くので長期的に服用していましたが、ある時「こんなに薬を飲んでいても大丈夫だろうか」と、のっぴきらない不安を感じ始めました。その頃は薬のおかげで寝れてはいたので、デパス等と出会う前の夜の怖さや寝れなかった翌日への不安は割と薄れており、「今日は薬に頼らず寝てみよう」と出来るだけ睡眠を意識せずベッドに入りました。結果、いつもより寝にくさを感じ、かなりベッドで長らく悶々とすることになったのを覚えています。これは一種の離脱反応*5で、睡眠導入剤を長期的に服用することで現れる依存症の1つです。その他の依存性についてもまた詳述したいと思いますが、ベンゾも非ベンゾも正しく付き合っていけば依存症に陥ることは殆どないとの研究結果が出ていますし、私自身もう何年も導入剤を服用しておりますが、いつかは辞められると信じています。たまに減薬しても寝られる日はあります。そういった好事例からうまく行った理由やエッセンスを抽出して少しずつステップアップしていきたいです。

睡眠導入剤の強さ

こちらも睡眠導入剤を始めて飲む方にとってはとても気になる情報だと思います。私も自分が飲む薬が出来るだけ強くないと良いな・・と思っていました。強くない薬でも寝れているのであればまだ救いようがあるかなと言い聞かせられるので・・(・・;)

一般的には以下のような順序になるようですが、個人差はもちろんあると思います。私の場合、アモバンよりもマイスリーの方が効いている感じがありました。ハルシオンについては確かにダントツで強い気がします。飲んで20分程度ふらっと眠気に襲われ始めます。

睡眠導入剤の睡眠以外での活躍シーン

デパス等のベンゾはω2(抗不安)にも作用するため、抗不安剤としての性質も有しています。私はどちらかというとこちらの目的で服用することが多くなってきています。というのも、昔から緊張するのに人前でプレゼン等をすることへの憧れがあり、そういった機会を自ら設け、研鑽しようとするタイプ?でして、社会人となった今、不安に包まれることが多々あります。そういった「緊張するだろうな」とか「不安を感じそうだな」と予見できるイベントの1時間~30分前にデパス等を飲むと、いつもの自分で話せるのでとても重宝しています。

超短時間型の薬を1時間も前に服用するのには訳があって、「緊張しそうだな」と思い始めたときには既にある程度交感神経が高まり始めているんですね。そのためなのか、私の場合、超短時間型の薬を飲んでもすぐには効果が得られません。1時間くらいしてようやく「お、きたか?」といった感じです。これが万人に当てはまることなのかどうかは確信ないですが、早めに飲むことをお勧めします。

ベンゾの抗不安剤としての優位性はとても高く、以下の引用のように抗うつ薬よりも効果の確実性が高いようです。

ベンゾジアゼピンは時に急性不安の治療に用いられ、すぐに奏功しほとんどの患者の症状を緩和する[28]。しかし、耐性と依存症のリスクがあるため長期的な有効性はなく、2〜4週以上の使用は推奨されない。他の薬物療法と比較して、ベンゾジアゼピンでは中断時の症状の再発率が約2倍である。全般性不安障害の長期治療には、心理療法や他の薬物療法が推奨される。抗うつ薬はより高い寛解率を持ち、一般的に短期的にも長期的にも安全で有効である[28]。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ベンゾジアゼピン 

少し長くなってしまったので今回はこの辺で一旦切っておきたいと思います。出来るだけ頻度上げて更新していきたいところ・・頑張ります(^^)

 

*1:二重盲検法(にじゅうもうけんほう、英: Double blind test)とは、特に医学の試験・研究で、実施している薬や治療法などの性質を、医師(観察者)からも患者からも不明にして行う方法である。 プラセボ効果や観察者バイアスの影響を防ぐ意味がある。

*2:血液中の薬物濃度は、血球中薬物濃度、血漿中薬物濃度に区分される。多くの薬物では全血液中の薬物濃度の測定は技術的に困難であり、血漿中薬物濃度あるいは血清中薬物濃度を測定し、血中薬物濃度としている。血球中薬物濃度が高く無視できない場合には、全血中の薬物濃度を測定する。

【引用元】https://www.pharm.or.jp/dictionary/wiki.cgi?血中薬物濃度

*3:受容体(receptor)とは、生物の体にある外界や体内からの何らかの刺激を受け取る構造のことです。目や耳などの外界の情報を得る器官のことや、それらの器官の構成成分である受容細胞のこと、さらには刺激を受け取る分子やタンパク質のことのも受容体と呼ぶことがあります。生化学では、神経伝達物質やホルモンを受け取る細胞内に存在するタンパク質のことをおもに指します。

*4:同じく抹消性の「ω3」もあります。

*5:医薬品や娯楽的な薬物のように依存を形成する薬物を減量あるいは断薬することによって一連の症状を生じること

【不眠症とは】不眠症を自覚してからの焦りと睡眠導入剤との出会い【デパス】

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不眠症を自覚してからの焦り

前の記事で書いた通り、一気に不眠症のスパイラルにはまっていった私ですが、「このままでは仕事がろくに出来ない」「寝れない状態は何かもっと深刻な病気を併発するのではないか」といった焦りが毎日心を支配していました。

職場でも明らかに調子が悪い日が多かったと思いますし、同僚や家族にも「体がだるい」「眠れない」と漏らしてしまってたことがあり、心配をかけてしまっていました。(吐露しなければ一人で抱えきれなかったということもありますが・・)

とにかくどうにかして寝れる方法はないかとインターネットで色んな情報を漁りました。カフェインを控えるとか朝日をしっかり浴びるとか、様々な方法があり、いくつか試してみたのですが自分には全く効果がありませんでした。(このことも別に書いてみたいなと思います。)ですが一つの学びとして、不眠症にはいくつか種類があることが分かりました。

不眠症の種類

一般的には不眠症には以下の4種類があると言われています。(不眠症は厳密には眠れないこと自体が病態の原発性不眠と、何らかの原因によって不眠が引き起こされる続発性不眠に大別されます。)

入眠障害

ベッドに入ってもなかなか寝付けない状態。眠りに入るまで30分~1時間以上かかる。

中途覚醒

一旦眠りについてから、翌朝起床するまでに、夜中何度も目が覚めてしまう状態。

熟睡障害

眠りが非常に浅く、睡眠時間自体は取れているものの、熟睡感が得られない状態。

早期覚醒

希望する時間、あるいは通常の2時間程度前に目が覚めてしまい、再眠できない状態。

 

【参考】

これらを図示すると以下のようになります。不眠症をその症状(=性質)を軸に分類した場合には以下のようになりますが、罹患期間を軸にした分類の仕方もあるかと思っています。

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罹患期間を軸にした不眠症の種類

上述した罹患期間を軸にした分類ですが、以下のようなるかと思います。

  • 一過性不眠・・・数日のみの不眠症
  • 短期不眠・・・・1~3週間持続する不眠症
  • 長期不眠・・・・1か月以上続くような不眠症

一過性不眠は海外旅行や時差、もしくは重たい試験等に対する緊張により、正常な人が一時的に罹る不眠症を指しており、短期不眠は一過性不眠より少し長めの1週間以上~1か月未満の不眠を指しています。長めのストレス(親族との死別等)や仕事・家庭のトラブル等が原因となることが多いようです。そんな中でも長期不眠は本格的な不眠であり、更に3つの呼び名があります。

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不眠症の罹患期間で分類した場合(私の「精神生理性不眠症」を赤くしています。)

精神生理性不眠症って?

長期不眠は精神的緊張や不安によって引き起こされる不眠で、「一次性不眠症」「精神生理性不眠症」「神経性不眠症と名が付けられています。いずれも慢性的に精神的な緊張状態や不安状態にあること、そして、何らかの条件付け(=条件反射)の2要素がトリガーとなり、本格化していきます。(厳密に言えば、精神生理性不眠症①学習された睡眠妨害連想と②身体化された緊張を特徴とする、心理的要因を契機とした睡眠障害と国際的な診断基準で定義されています。)

以下に引用する文章中にあるように、私もまさに「寝なくては」と睡眠を意識しすぎることで、習慣的に脳を緊張状態に持っていってしまっていました(度々過去形で書いてますが今も完治出来てはいません(・・;))。精神生理性不眠症とは長期不眠の中でも「寝られなかったらどうしよう?」とか「今日こそは寝てやる」といった不安や焦りに起因する不眠症のことを指すんですね。

個人的な分析ですが、完璧症や心配性の人はこの症状に陥りやすいのではと感じています。

不眠の原因となる条件づけとは、今晩は眠らなくてはと努力すればするほど眠れなくなることがあるように、毎晩眠れるかどうかを心配することが不眠の要因になる。すなわち眠ろうと意識的に努力することで神経が興奮して中枢神経系に覚醒状態がおこり、かえって眠れなくなるという悪循環を繰り返し、ますます眠れなくなる。しかしこのような人もテレビを見たり、読書をしていると自然に眠くなることがある。このような精神生理性不眠の人の中には、実際以上に不眠に対してこだわりが強く、不眠を強く意識して悩み訴える場合が多い。生活指導や睡眠薬を用いた治療が行われる。

 平成11―13年度厚生労働省精神・神経疾患委託研究費
睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究」
(主任研究者 国立精神・神経センター精神保健研究所内山 真)をもとに整理

引用先:https://www.mhlw.go.jp/shingi/2003/03/s0331-3a.html

また、精神性不眠症の特徴として睡眠時間を過小評価しているということが挙げられます。実際には感じているよりも多くの時間寝れているにも拘わらず、翌朝起きた際に「また寝れなかった」と感じてしまっているということです。この特徴は私にもドンピシャに当てはまります。寝れないと感じた日は決まって奥さんに「また寝れなかった」と不満を漏らしていましたが、たまに「え?昨日は割とすぐ寝てた気がするよ?」と指摘されることがありました。でも今に至るまで、その言葉を「あ、そうなんだ」と100%素直に受け入れることは出来ていません(笑)

「精神生理性不眠症」という言葉はまだ市民権を得ていないですし、情報も多くはありません。以下の病院のページでは非常に詳しく丁寧に解説がされており、私自身も理解が深まりました。こういった解説ページはいつでも病院に行けるわけではない自分のような社会人にとっては貴重ですね。これまで浅草のメンタルクリニックに通っていましたが引っ越して新橋も近くなったのでこちらのクリニックを試してみようかな・・クリニックの選び方についても別記事に出来る内容だな~~

www.sleep-mental.com

こうして体系的に理解することも意外といいなとブログ初めて感じ始めています。自分の症状を客観的に捉えられることになるので。これも認知療法の一種とも言えるかなと思いますが、認知療法云々についてもまた別記事に起こしてみたいです。

不眠症を打ち明けるまでの葛藤

ところで、当時付き合っていた彼女(今の奥さん)には既に「とんでもないくらい寝れない」と打ち明けていましたが、私はお調子者で通っていたので友人や同僚には「不眠症なんだ」と伝えることが割と億劫でした。「不眠症になってしまうような弱い奴」と見られたくないという気持ちも強かったと思います。

ですがやはり夜メシや飲み会で一緒に時間を過ごすことも多くあり、信頼できる奴らだった上、「寝れない状態を打ち明けることで何かしらスッキリするかも」とも思い、軽く不眠症のことを話してみました。返ってきた反応は少し残念でした(笑)

残念な反応

不眠症のことを話すと「大変やな」程度で皆まったく意に介さないんですね(笑) これはちょっと残念でした(*_*)

でもそれは当然かなと思います。少し前まで自分も「寝ること」を意識したことはほとんどなかったですし、不眠症の人も周りにいなかったので、それがどれほど辛くてキツイことか想像すらしたことがありませんでした。人は認知できないことには共感できないので、彼らの反応は至極当然なことではあります。

打ち明けるにつれて心配してくれる人も多くいましたが、やはりこればかりは経験者同士でしか本音を語り合うことは出来ないなと痛感しましたし、自分自身でどうにか解決していくしかないという思いに至りました。

それからは冗談交じりに自分の寝れないことをネタにするものの、家に帰ると笑いなど一切なく藁にも縋る思いでネットに掲載されている対処法を1つずつ実践していきました。でもどれもほんとに全く効かない!!当たり前です。対処することで「今日は〇〇をしたから寝れるな」とより睡眠を意識してしまうので・・これにはほんとに参りました。

そこで辿り着いたのが睡眠導入剤でした。

初めての睡眠導入剤

始めて手にした睡眠導入剤デパスでした。この睡眠導入剤についてはまた明日か明後日新しい記事として書き起こしてみたいと思います。もう少しデパス睡眠導入剤について調べてみたいと思うので。

 

それではまた!

 

【不眠症とは】精神生理性不眠症を発症したきっかけ

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あれ、寝れない?

今回は寝れなくなったきっかけについて書いてみようと思います。

きっかけは鮮明に覚えていて、あれは社会人になりたての6月でした。私は枕もとで遅くまでケータイをいじっていて、寝なきゃと思った時には既に1時を回ってしまってました。早く寝なきゃと寝始めたはいいものの、まだ新人も新人だった私は「遅刻してはならない」という思いと「早く寝なければ明日の仕事の質が落ちる」という焦りを感じ始め、次第に眠気は消え去り、頭の中は「寝なきゃ」という強迫観念のようなもので占有されていきました。

当然このような状態では眠りにつくことは出来ず、その日は結局4時くらいまで寝たのか寝てないのか分からないような状態で戦っていたと思います。皮肉なことに「もう朝だ・・」と諦めに近い境地に至ると寝ているんですよね。今になっては分かるんですが、これはとても大切なことで、「寝れない自分に抗わない」ことが不眠症から抜け出すポイントの一つになります。このことについてはまた別に書いてみたいと思います。

「寝れなかった昨日を取り戻さなくては」

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寝れなかったことで次の日の私の頭はぼーっとしており、先輩の話も聞くのが辛く、明らかに考えるスピードや仕事の効率は落ちていました。上司や先輩の期待に応え、早く出来る新人として認められたかった私は昨晩ケータイをいじっていた自分を責め、「今日こそは早く寝る。今日の寝れなかった分を取り戻す。こんな状態になっているのは全て睡眠不足のせいなんだ。」と心に決めていました。

この点もいつか書きたいと思いますが、この思考も不眠症に陥る大きなファクターだと思っています。日常生活の不具合を全て不眠症のせいだと結論付け、十分な睡眠時間を取ることが唯一の解決策だと自ら刷り込みを行ってしまうんですね。これはとても危険なことでなかなか克服することが出来ません。今の自分でも完全にこの境地を逸したとは言い切れないと思います。

負のスパイラル

寝れずにぼーっとしてしまったその日の夜、私はぐったりしてシャワーも早く浴び、11時頃にはベッドに入ったと思います。実はこれがまたダメなポイントなんですね。既に頭の中の「寝なくてはいけない」という強迫観念は程度を増しており、それに加えて「今日のような寝れない状態は絶対に嫌だ」という思いも芽を出しています。そんなこんなで脳は既にある意味興奮状態にあるのに、いつもよりも早い時間にベットに入り、「よし寝るぞ」と意気込んでも寝れるはずもありません。今日の疲れをとって明日すっきりした頭で仕事に臨みたい。そう思えばそう思うほど頭は冴え、心は焦り、眠気は逃げていきました。

この負のスパイラルが4日間程度続き、「自分は何かの病気に罹ってしまったのではないか」と強烈な不安に一人でさい悩んでいました。寝れたように思われる日が少し続き、治ったか?と思われることも何度かありましたが結局この悪循環から完全に抜け出すことは出来ず、見事に不眠症のスパイラルにはまっていきました。

昔は寝れたのに・・

思えば過去にも同じような状況で寝なきゃと焦ったことはありました。アルバイトのシフトが朝一に入っていて、早めに寝なくてはいけなかった時です。当時はいくら目が冴えていても、一度「寝よう」と決めてからは気付かないうちにすーっと寝付いていました。後になって自分なりに理由を解析した結果、学生時代の自分と社会人の自分で決定的に違っていたのは「責任感」でした。

学生時代はあくまでもアルバイトの立場でやれと言われたことを遂行するだけが責務でしたが、社会人なり立ての自分は、早く仕事を覚えて成果を出したいという思いが非常に強くありました。そのため、勤務時間は朝から明瞭な頭でフルに働かなくてはという気負いのようなものを持っていました。これも今振り返って思うことですが、この思いが不眠症スパイラルから抜け出す(今でも完全に抜け出せてないのですが・・)のをより一層難しくしていたと感じます。

親の教え

小さい頃に「〇〇時までには寝なさい」「✖✖時間以上は睡眠時間を取りなさい」と教えられたことはありませんか?私の両親(特に母)は睡眠をとても重要なものと捉えていて、私に対しても幼少期から8時間は寝なさいと何度も言い聞かせてくれました。子供ながらに、私も寝ると心身ともに回復できることから、母の言っていることは正しいし、自分の体は7~8時間以上の睡眠時間を取らないとうまく機能しないのだ。と理解するようになっていました。この一種固定観念ともいわれる考え方もまた、不眠症を不用意に強固にすることに残念ながら貢献していたと思っています。

不眠症は一度罹ると抜け出せない(抜け出しにくい)

これまで不眠症を発症するに至った経緯をばーっと書いてきました。いくつかポイントを示したように、不眠症は一時的・短期的には誰にも起こりえる事象ですが、それを慢性化させてしまう要素があります。以下の記事では私の不眠症発症原因とは少し異色ですが、それを本格化させてしまうメカニズムが紹介されており、専門的な解説がされておりましたのでご紹介させていただきます。特に以下の引用箇所なんて私がやってしまっていたことにドンピシャですね・・。

「不眠を悪化させる睡眠習慣」とはやたらと早い時間帯から寝ようとしたり、ベッドの中で眠れずに悶々と苦しい時間を過ごしたり、長い昼寝をしてしまったりなどの就床習慣のことで、1つ1つが不眠を悪化させる原因となる。慢性不眠症で悩み始めると大部分の人がこのような睡眠習慣に陥ることが分かっている。

引用:https://style.nikkei.com/article/DGXMZO95249070X11C15A2000000/

三島和夫(みしま・かずお)

以下は同じ記事の中で紹介されていた3つのPを分かりやすく図示しているものです。私は「急性期」に②の要素も③の要素も織り交ぜながら一気に不眠症を本格化させてしまったきらいがあります・・。心配性な個人的性格も相まってとのことと思っています。

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不眠症発生までのライン。私急速に「急性期」に不眠症のラインを超えた気がします。

【出展元】

さて、今回の記事ではこの辺にしておき、次回は不眠症の種類や不眠症を打ち明けるまでの経緯等について触れられたらなと思っています。こうして自分の不眠症の歴史を振り返り、文章化することも症状を達観して捉えられるので有意義だなと思っています^^

それでは、また。

 

【眠れない】精神生理性不眠症との闘い

初めまして

まず初めに簡単に自己紹介させていただきます!

  • 年齢:29
  • 性別:男
  • 職業:宇宙開発⇒ドローン⇒IT系ベンチャー(宇宙)
  • 家族:妻、長男の3人家族
  • 住まい:東京都中央区
  • 好きな映画:Pulp Fiction、Heat、Scent of Woman、The Dark Knight..選びきれない!
  • 好きな音楽:R&B(歌うまい系全般)
  • 好きなスポーツ:バスケットボール(NBAではLebron JamesKyrie Irvingのファン。Cavs時代は良かった・・)

こんな感じで一般的な社会人男性として、愛する家族と多くの友達に恵まれ幸せな毎日を送っています。ところが・・

突然の不眠症

突然ですが私はタイトルにもある『精神生理性不眠症というものに5年以上前から悩まされています。それまではいつでもどこでも寝れるごく普通の男子だったので、突然わが身に降りかかった「眠れない」という恐怖感に心底疲弊しました。(昔TVで放送されていたのですが、眠れない原因不明の難病に侵され最期は起きているのでもなく寝ているのでもない、という状態に陥って気が狂うようにして命を落とされたイタリア人の方の紹介があり、自分もその病気なのではないかと本当に怯えていたことを今でも覚えています。)

 【参考】ショッキングドキュメンタリー:まったく眠れなくなり死に至る病「致死性家族性不眠症

www.excite.co.jp

以前にも実はブログ化することで自らの症状の見える化+経年観察しようと思っていたのですが、結局仕事が忙しく途中でやめてしまいました。このタイミングで再トライするにあたっては以下の3つのポイントを意識しています。

  1. 現状トレース(日々の変化や薬の摂取量の管理、症状を客観視する。)
  2. 他に同じような症状に悩まれている方との情報交換
  3. ブログを書くにつれて医療的な知識のインプットと共有を図る

とまあ少し固いこと書いていますが、要は最終的に薬への依存を断ち、自然に寝付ける状態に戻ることをゴールにつらつらと日誌をつけていこうと思った所存です!

私はまだ20代(終わりかけてますが)で男であるということもあり、「不眠症」を患っていることを公にすることに対して名状ならぬ後ろめたさのようなものを常に感じていましたし、誰に相談すべきか分からず、早く治したい一心で闇雲に色々な方法を試してきました。病院はどこに行けば良いのか、どんな薬があるのか、市販薬は効くのか、自分にあった薬は何なのか、自然治癒するのか、脳や心臓に影響はないか・・・等、様々な疑問が頭をよぎりまくってましたが中々まとまった情報はなく苦労しました。今回このブログを立ち上げるもう1つのポイントとして、不眠症に関する情報を整理し提供する、という観点もあるかなと思っています。

これから

今後は、以下のような流れで過去の振り返りをまずはやっていきたいと思います。その中で自分なりに考えたことや効果のあったことをご紹介し、今後取り組もうとしていることや日々の症状の報告等が出来たら良いなと。

確かに不眠症は継続しているのですが、今では「偏頭痛や便秘のようなもので、それらが起きた際に頭痛薬や便秘薬を飲むように睡眠導入剤を飲んでいるだけだ」と自分に言い聞かせ、少し達観したような境地にいます。数年前まで寝れないことに苛立ち、ストレスを抱え、仕事の質にも影響を及ぼし、両親や妻を心配させていた頃からすると大きな進歩かなと思っています。

今後このブログを読んで下さる方で、寝れないことが原因で日中の生活・仕事に大きな支障をきたされていたり、誰にも言えず抱え込んでおられる状態になっている方がいる場合、少しでも自分のやったことや発信する情報が役に立つと嬉しいですし、皆さんからのアドバイスももらえるととても励みになります。

  • この不眠症を発症したきっかけ
  • 不眠症と気づくまで
  • 不眠症初期の不安・焦り・苛立ち
  • 闇雲に試した対処療法の数々
  • 幾つも回った不眠症外来(こころのクリニック)
  • 不眠症を打ち明けた際の周りの人の反応(親族も含め)
  • 不眠症による職場での影響&上司へのカミングアウト
  • 辛抱強く看病してくれた妻の存在
  • 睡眠導入剤の使い方
  • 今後の予定

これは今パッと思いつく予定の内容なので変更はあると思いますし、自分の生活から派生する(関係ないようなこともw)ことも書いていきたいです。不眠症こそあれ、楽しく野心に溢れた人生wを送れているので、緩く楽しく、でも正しい情報や機知を与えられる内容にしていきたいです^^

よろしくお願い致します!